おっさんブログ

60代おっさんの興味本位をつづります

通信制大学のすすめ(2)

通信制大学にはいろいろな人が入ってくる。

若い時に大学に進めなかった人、卒業した大学に満たされないものを持っている人、経済的な理由で通学制に行けなかった人、現役のお医者さん、東大を卒業した人などなど。色々な人がいろいろな目的をもって入ってくる。

 

通信制の大学を卒業して、東大の教授をなっている人もいる。卒業後もいろいろあるようだ。

 

通信制の大学は通学制のような入試はない。しかし、選考はあるのだ。だから誰でも簡単に入れるわけではないようだ。私の時代でも4000人程度の応募があって、3000人程度がふるい落とされているという話を聞いた。私の周りでもは入れなかった人は何人かいる。

 

こんな話も聞いた。学校の先生が5人、学び直そうと決めて一緒に応募したが許可されたのはそのうち一人だけだったそうだ。選考基準に達していなかったことになる。

 

それがどのようなものかは分からないが、提出する小論文などはそれほど難しいものではない。でもそれらの課題からある程度入学を許可するに値するかどうかの判断ができるのだろう。

 

それだけ絞っても、無事入学して卒業に至る人は数パーセントのみである。難しい入試を突破すれば殆どが卒業できる通学制とは大きく異なる点である。入るは易し、出ずるは難しなのである。

 

どこからか、やはり入試がないので能力に問題ある人が多いのでは、という声が聞こえてきそうである。断じていえる。それはない。私も多くの一流大卒の人を見てきたが、彼らと比較しても入学を許可された人に能力的な問題のある人は殆どいない。

 

何が難しいのか。仕事と両立させながら、また、家庭を維持しながら、独学で学び続けるのが難しいのである。このことは教授陣もよくご存じのようで、時々、「私も通信制を卒業する自信はない」と冗談交じりでおっしゃられる。

 

もう一つの難関はスクーリングである。いわゆる対面授業。実際、教室に赴いて授業を受け一定単位(卒業単位の1/4程度)を取得せねばならない。主に学校の夏休みを利用して、教室を開放して行われる。ここで通学生が受けるような講義を受け、最後に行われる試験に合格する必要がある。試験もさることながらこの授業に参加すること自体が仕事との関係で難しい人がいる。

 

最後の難関は卒論試験である。一年半程度の指導を受け(もちろん内容そのものではなく、テーマ選びや研究姿勢、やり方など)、卒業論文を仕上げた後、後日その内容についてプレゼンし、質疑応答が行われる。この試験は不合格になっても一回のみ再試験のチャンス与えられる。が、二度失敗すれば卒業は諦めねばならなくなる。

 

私の時代のことを記しているので今は変わっているかもしれない。

通信制の大学を勧めておいて、同時に、卒業の難しさを伝えている。しかし、決して矛盾ではない。経済的理由で通学制大学に進めないなら、入るのが楽そうな通信制でなどと思ってもらってはいけないからだ。そして、諦めず頑張れば一流大学の教育を受けられ、卒業証書も得ることが出来るということを知ってほしいのだ。

 

今の時代、SNSが発達して以前のように孤独に学ぶという辛さはかなり軽減されていると思われる。直接会って語り合えるのはスクーリングの時しかないかも知れないが、もっと頻繁にネット上で交流し、刺激しあい、仲間意識の醸成を図ることが可能である。

 

「諦めない人にのみ道は開かれる」のである。