小さな古時計、復活!
我が家の小屋に柱時計が掛かっていた。
かれこれ30年は故障したまま、ほこりをかぶっていた。
ある時、女房が「これ直らない?」ときた。古いものが好きなのだ。
大概のものは直してしまうので「やってみるか」と答えた。
メカなので何とかなるかと思ったが何ともならない。
動き出すのだが、しばらくすると止まってしまう。
近くの時計屋に持ち込んで「何が悪い?」
主いわく「軸に注油してみな」
「ところで、修理をお願いするといくら掛かる?」
「5,000円だな」
何とも憎い根付けだ。それ以上高いと直らなければ捨ててしまう。
その値段なら、自分でだめなら直してもらうか、という気になる。
で、持って帰って丁寧に注油した。少し長く動くようになったがやはりだめ。
結局、女房が「それで直るんだったら頼んで」というので再度持ち込んだ。
主は今度はじっくり中を覗いて、ちょっと唸った感じがした。
「一週間から10日ほど掛かるよ」とのこと。
三週間掛かっても何の連絡もなし。
女房に「あれ、どうなってる?」と言われて思い出し、電話を掛けた。
「三日前にやっと直って、今、動作確認中。急ぐなら取りに来てもいいよ」とのこと。
取りに行ったら、柱に掛かっていてちゃんと動いていた。
「あちこちの軸がすり減っていたので、全部分解して、金属を盛った」とのこと。
「5,000円でいい?」
「約束だから。消費税は頂くよ。大サービスだ。ははは」
メカ時計なのに全くと言っていいほど狂わない。
柱時計独特のあのボーン、ボーンという音でクオーツの腕時計を見るとぴたりとあっている。少々の狂いは当たり前と思っていたのは間違いなのだ。
これがプロの仕事なのだろう。
「一年は保証するよ。でも10年は動くだろう、いや50年は持つかも」
言われても自然と納得する。
その時計がこれ。古さがにじみ出ている?
女房は満足。
でも、定期的にねじを巻く仕事が、、、